娘を売る街~昭和の赤線・吉原ネタバレ第3話「吉原・投げ込み寺」
江戸時代の新吉原で、女郎の子として生まれた娘には、生まれつき顔にアザがあった・・・「顔立ちはキレイなのに『惜しい』とあちこちで言われ続け、いつしか少女は「おしい」と名乗るように。
養い親が亡くなり、元いた吉原に返されてしまうおしいの運命は・・・
娘を売る街 第3話「吉原・投げ込み寺」あらすじとネタバレ
※「吉原・投げ込み寺」は「娘を売る街~昭和の赤線・吉原~」の3話目に収録されている作品です。
吉原の女郎の子
もらわれっ子だったおゆうは13で養い親に死なれ、もともといた新吉原の大黒楼へ返された。おゆうは女郎の子だったのだ。
綺麗な顔立ちの娘だったが、惜しいことに左頬に大きなアザがある。遊郭の女将は「そのアザさえなければ、表に出して稼げたのに」と悔しがりながらも、下働きとして引き取った。
以降、あちらに行ってもこちらに行っても「アザが惜しいねえ」と言われ、「もうあたいの名は『おしい』でいいわ!」と、娘はきかないところを見せた。
客に無体され、花魁にかわいがられる
実の母親が女郎だった、というだけでもショックなのに、夜の色めかしい賑わいの遊郭を見てため息をつくおしい。
ある日、酔った客におしいは無理やり乱暴されてしまい、傷ついたおしいを哀れんだ綾衣花魁が出産のための養生の伴に連れ出した。
無理やり犯されたおしいは、弱ってごはんも喉に通らない状況だったが花魁のやさしさに包まれて、傷ついた心を癒やしていった。
まるで自分の娘のようにかわいがってくれる花魁・・・そして綾衣花魁は「投げ込み寺」と呼ばれる無数の女郎が葬られている寺参りにおしいを連れていった。
そのお墓は、おしいの実の母親の墓だ、というのだった。
娘を売る街 第3話「吉原・投げ込み寺」の感想
泣ける・・・誰の子ともわからずとも、娘を産んですぐに手放さなければならなかった女郎。おしいの母親は、娘の未来を想ってこそ、わざとアザをつけて逃してやりました。
そして、死してなおも愛する娘を守るために、幽霊となって現れた母親。綾衣花魁の最後の一言が、じーんときます。
「嘘ばっかりの吉原で、母の愛は真実だったんでありぃすねぇ」
悪者も退治され、母の愛に守られたおしいは母が願ったとおりに女郎にはならず、自由になるために懸命に働くことを選びます。
顔のアザは治らないけれども、そんなことは気にせずにたくましく生き抜いていってほしいなあ、と思いました。
こちらの記事もおすすめです